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沖縄探訪その2  薩摩侵攻 [沖縄探訪]

昨日の最低気温25℃。と今年も暑くなってきている那覇です。
まだ何とかエアコンを使わずに過ごしてますけど、いつまで我慢できることやら。。。





 


さて、思いつき出始めた沖縄探訪、第2回は「薩摩侵攻」です。

沖縄県は昔は琉球王国であり、日本とは別の国だったことは皆さん知ってるかと思います。

まず、その辺のごく簡単な歴史から。


12世紀頃までは明確な国家という存在はなかったようですね。
13世紀頃から、富と権力を持った指導者は各地にグスク(城)を築いて周辺地域を支配するようになり、
お互いが勢力抗争を広げてました。
14世紀の南山、中山、北山の三山時代を経て、
1429年に三山とは別の勢力であった尚巴志(しょう・はし)さんが
三山を滅ぼし、沖縄本島を統一して琉球王国が成立しましたとさ。

以上です。(これだけかい?)


こちら、北山の拠点だった今帰仁(なきじん)城の跡地です。世界遺産に登録されてます。

 DSC09823.JPG


P6210279.JPG
このような城跡は沖縄本島内あちこちにあります。



   なお、沖縄で見られるグスクは、「城」という漢字をあてるので内地の城と同じと思いがちですが、
   内地の城は軍事拠点で指揮官の居所であったのに対して、琉球王国のグスクは軍事拠点ではなく、
   単に王の住居、もしくは斎場としての役割だったようです。





その琉球王国ですが、東シナ海に位置するという地の利を生かし、
人口十数万人という小国ながら中国、日本、東南アジア間の中継貿易でそれなりに繁栄してました。




こちら、王様の尚さんちだった、首里城。
DSC08216.JPG


こちらは、尚さんちの玄関だった(違う)、守礼門。
DSC08283.JPG
でも首里城外の楼門のひとつだから、玄関っていう表現は全く間違ってる、って訳じゃないかな?









それから百数十年、日本は室町から戦国時代を経て、江戸時代に移行。
戦乱が終わって平和な時代になりました。
そんな中、薩摩藩は1609年、琉球王国に侵攻します。
これを

「薩摩侵攻」
といいます。
侵攻に到るまでの背景には、秀吉の朝鮮出兵辺りから色々と伏線があったようですね。

 

 

戦国時代を生き残った薩摩藩の攻撃力には歯が立たず、琉球王国は薩摩藩の軍門に下り、ミツグ君(死語だな)になったものの、
滅ぼされることは無く、独立した王国として存続しました。


 

薩摩藩が琉球王国を滅ぼさなかったのは諸説ありますが、鎖国中の日本(実際の鎖国はもう少し後ですが)で中国(当初は明、その後は清)と
貿易できるのは長崎に限られてたんで、薩摩は琉球王国を介して中国との貿易をしたかったようです。

なので、琉球王国は薩摩に搾取されまくり!!、のミツグ君、ではなく、

薩摩藩からお金を受け取り、中国製品を買って来るパシリのような存在だったようです。



琉球王国は薩摩藩の軍門に下ったとはいえ結構したたかで、わざと粗悪品ばかりを買い込んできたり、

「中国でサギにあって預かったお金を全部取られた」というウソの報告をするなど、
色々と抵抗してた、ということが薩摩側の資料に残っているそうです。


 

とはいえ、薩摩藩は琉球王国からの貢物で潤ったのは事実で、その利益は幕末の討幕運動の時、西郷どんの財力となったようです。

(薩摩藩は石高は多かったものの、シラス台地のために実際の米生産量は石高ほど高くなく、琉球からの貢物がなければ窮乏してたみたいですね)





かたや琉球王国も、薩摩と中国の間で両方の文化を吸収し、独自文化を育てて行きました。
その文化の一例はこんなもの。

1.豚肉:中国の使者接待のため、王府が養豚奨励。
豚肉.jpg
牧志公設市場に置いてあるホンモノです。




2.サトウキビ:日本へ輸出する特産品として王府が生産奨励。江戸時代、砂糖は貴重品でしたからね。
サトウキビ畑
こちら、植えたばかりのサトウキビ畑。ここから1年半育てて刈り取ります。



3.泡盛:中国、日本両国への献上品として王府が管理。
泡盛
先日も紹介した幻の泡盛、「泡波」です。



今の沖縄文化の基礎がこの時期に作られたんですね。  

去年2009年は侵攻から区切りの400年ということで那覇市内で展示会をやってました。
(さすがに侵攻なんで400周年記念、とかという表記じゃなかったですが)




そんな琉球王国と薩摩藩の関係は幕末まで続きますが、明治維新とともに大きな転機を迎えます。




沖縄探訪、次回に続きます。


(なんか、歴史の教科書みたいになっちゃいましたね)
 









 

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